進化するC型肝炎の治療薬

|2015年9月 6日

 《進化するC型肝炎の治療薬》

C型肝炎には、ジェノタイプ1と2があり、日本人の場合、その比率は7対3とされています。このタイプによって、使う薬も変わってきます。どちらのタイプにおいても近年新しく経口薬が出ており、C型肝炎の治療も変わってきています。

 《新しい経口治療薬》

今までC型肝炎の治療といえば、インターフェロン(以下IFN)を用いるのが標準でした。しかし、発熱、倦怠感、貧血などの副作用が高率に出るため、高齢の患者など、そもそも治療を受けられないケースも多くありました。また、注射による治療のため、こまめに通院する必要がありました。

 今年5月、ジェノタイプ2のC型肝炎に、ソバルディという薬が発売され、リバビリン(コペガス、レベトール)との併用で保険適応されています。治験において、IFN療法と比べて高い96.7%という治療成功率が出ており、また副作用も少ないため、現在ガイドラインではこの併用療法を第一選択と位置付けています。          

 ジェノタイプ1の患者には、14年9月、経口薬だけで治療できる、スンベプラ+ダクルインザの併用療法が登場。この2つを飲むことで、IFNによる副作用を伴わずに治療が出来るようになりました。

 そして、今年7月、ハーボニー配合錠という薬が承認されました。この薬は、前述したジェノタイプ2型の治療薬、ソバルディに、レジパスビルという成分を配合したものです。治験では、持続的ウイルス学的著効率は、治癒したと判断される100%という結果が得られています。

 《新薬、ハーボニー配合錠の利点》

上に書いたスンベプラ+ダクルインザの併用療法にも弱点があります。ウイルスに耐性変異がなければ成功率は95.4%と高いのですが、変異があると38.3%と大幅に下がってしまうのです。その点、ハーボニー配合錠は、同じ耐性変異がある患者を含んだ試験で、治療成功率は100%でした。ソバルディが、他の抗ウイルス薬と比べて耐性変異を生じにくいとされているのです。そして、副作用も少なく、有害事象による服用中止例もありませんでした。また、治療期間が短いのも利点です。スンベプラ+ダクルインザの併用療法では、治療に24週間かかりますが、ハーボニーは半分の12週間で済みます。また、薬を飲む回数も1日1回1錠と少なくなっています。薬価は高額ですが、8月に医療費助成の対象となることも決定しました。患者負担は、月額1万円もしくは2万円となります。

 《治療後の注意》

ウイルスが排除できても、その後の肝がんリスクはゼロにはなりません。気軽に治療を開始して成功した場合、「これで治った」と安心して、その後全く受診しない状況になることが懸念されます。治療後も、定期的に受診をすることが大切です。