お薬の部屋 最新の記事5件

薬剤師がお薬の飲み方など、役立つ身近な話を掲載しています。

ノロウィルスが流行っています

|2015年12月27日

《ノロウイルス感染症の症状》
ノロウイルスは、乳幼児から高齢者まで、広い年齢層で急性胃腸炎を引き起こします。流行シーズンは初冬、潜伏期間は1?2日、主な症状は吐き気、嘔吐、下痢などです。
学校や保育園、高齢者の施設など集団生活の場では感染が広がりやすく、集団感染を引き起こすことも多くあります。
そして2015年、新型のノロウイルスが発生しており、注意が必要です。新型は従来の変異型で、多くの人が免疫を持っていないため大流行の恐れがあると見られています。ただし、症状や予防法などは従来のものと変わりません。

《感染経路》
? 人から人
ノロウイルスを含む便や吐しゃ物を触ったり、舞い散ったものを吸い込んだりして感染。
? 人から食品、そして食品から人
ノロウイルスに感染した人が、十分に手を洗わずに調理することで食品が汚染され、それを食べた人へ感染。
? 食品から人
ノロウイルスに汚染された生牡蠣や二枚貝を、十分に加熱せずに食べて感染

《感染予防》
ノロウイルスの予防には、ウイルスを口に入れないことが重要です。日常生活において以下の3つに気を付けましょう。
? 手洗い、うがいを徹底。
? 食品は十分に加熱。(85℃、1分以上)
? 調理場や調理器具などは、ウイルス除去。

《感染してしまった場合》
ノロウイルスは感染力が強いため、家族で感染者が出た場合は感染予防の対策が必要です。
まず感染者はなるべく家族と隔離し、トイレや洗面所など共有スペースはこまめに消毒を行いましょう。
吐しゃ物や便にはウイルスが大量に含まれており、さらに乾燥すると浮遊して空気感染を起こしてしまいます。消毒してウイルスを除去すると共に、乾燥する前に取り除くことがポイントです。
処理する人は使い捨て手袋、マスクを着用し、全てビニール袋に入れて密封して廃棄しましょう。

《消毒方法》
85℃以上で1分以上加熱するか、次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が効果的です。(※ちなみに、アルコールはノロウイルスには効果がありません)

次亜塩素酸ナトリウムは薬局やインターネットで購入できますが、家庭にある塩素系漂白剤にも含まれることが多いので、水で薄めて代用できます。
用意するものは、
塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウムがふくまれているもの。市販のものはだいたい5%ぐらい)、ペットボトル、水の3つだけです。

・吐しゃ物や便が付着した床やトイレ、衣類など→0.1%
500mlのペットボトルに、通常水が入っている程度の水と、ペットボトルのキャップ2杯分(10cc)の漂白剤を入れる

・おもちゃや調理器具、直接手で触れるところ→0.02%
2Lのペットボトルに、通常飲料が入っている程度の水と、ペットボトルのキャップ2杯分(10cc)の漂白剤を入れる

漂白剤は薄めると効果がなくなるのが早いので、毎日新たに作るのが安心です。いずれも、10分ほどおくか浸けておきましょう。

《治療》
現在ノロウイルスに有効な治療薬はないので、吐き気止めや整腸剤などを使った対症療法となります。
嘔吐や吐き気がひどい場合は、無理に食べずに、水分を少しずつこまめに摂っておくようにしましょう。飲めるようなら、イオン飲料などで脱水を防ぐと良いでしょう。

インフルエンザワクチンが改良されています

|2015年10月 8日

これからの時期、毎年流行るインフルエンザ。特に高齢者や小さいお子様、基礎疾患を持つ方がかかると重症化しやすく、ひどい場合では命に関わることもあります。
そこで予防策として出てくるのが、インフルエンザワクチンの接種です。ワクチンを打てばインフルエンザにかからない!と思っている方もいらっしゃいますが、実は感染を完全に防ぐことは出来ません。しかし、発症の予防や、発症した場合も重症化を防いで症状を軽く済ませる効果があります。

《接種時期について》
インフルエンザワクチンの効果は、接種後5カ月ぐらいと言われています。あまり早く打ちすぎても、流行のシーズン中に効果が切れてしまう恐れがあります。また、ワクチンを接種してから抗体が出来るまで2?3週間はかかります。
毎年12月から3月頃まで流行すると考えると、遅くとも11月中には終えておいた方が良いでしょう。

《2015年のワクチン事情》
これまでインフルエンザワクチンには、A型2種類とB型1種類の、計3種類が入っていました。それが、今シーズンはB型を1種類追加して、計4種類となっています。
主に流行するB型インフルエンザには、山形系統とビクトリア系統の2種類あります。これまではシーズン前にどちらが流行るか予測し、一方のみをワクチンに入れていました。しかし、その予測が外れればワクチンを打っていても効果が発揮されないということだったのです。今シーズン、B型も2種類入れることにより、どちらの型のインフルエンザが流行っても、十分に予防効果を期待出来るようになりました。
B型が1種類増えたことにより、値段は去年までと比べて上がります。

進化するC型肝炎の治療薬

|2015年9月 6日

 《進化するC型肝炎の治療薬》

C型肝炎には、ジェノタイプ1と2があり、日本人の場合、その比率は7対3とされています。このタイプによって、使う薬も変わってきます。どちらのタイプにおいても近年新しく経口薬が出ており、C型肝炎の治療も変わってきています。

 《新しい経口治療薬》

今までC型肝炎の治療といえば、インターフェロン(以下IFN)を用いるのが標準でした。しかし、発熱、倦怠感、貧血などの副作用が高率に出るため、高齢の患者など、そもそも治療を受けられないケースも多くありました。また、注射による治療のため、こまめに通院する必要がありました。

 今年5月、ジェノタイプ2のC型肝炎に、ソバルディという薬が発売され、リバビリン(コペガス、レベトール)との併用で保険適応されています。治験において、IFN療法と比べて高い96.7%という治療成功率が出ており、また副作用も少ないため、現在ガイドラインではこの併用療法を第一選択と位置付けています。          

 ジェノタイプ1の患者には、14年9月、経口薬だけで治療できる、スンベプラ+ダクルインザの併用療法が登場。この2つを飲むことで、IFNによる副作用を伴わずに治療が出来るようになりました。

 そして、今年7月、ハーボニー配合錠という薬が承認されました。この薬は、前述したジェノタイプ2型の治療薬、ソバルディに、レジパスビルという成分を配合したものです。治験では、持続的ウイルス学的著効率は、治癒したと判断される100%という結果が得られています。

 《新薬、ハーボニー配合錠の利点》

上に書いたスンベプラ+ダクルインザの併用療法にも弱点があります。ウイルスに耐性変異がなければ成功率は95.4%と高いのですが、変異があると38.3%と大幅に下がってしまうのです。その点、ハーボニー配合錠は、同じ耐性変異がある患者を含んだ試験で、治療成功率は100%でした。ソバルディが、他の抗ウイルス薬と比べて耐性変異を生じにくいとされているのです。そして、副作用も少なく、有害事象による服用中止例もありませんでした。また、治療期間が短いのも利点です。スンベプラ+ダクルインザの併用療法では、治療に24週間かかりますが、ハーボニーは半分の12週間で済みます。また、薬を飲む回数も1日1回1錠と少なくなっています。薬価は高額ですが、8月に医療費助成の対象となることも決定しました。患者負担は、月額1万円もしくは2万円となります。

 《治療後の注意》

ウイルスが排除できても、その後の肝がんリスクはゼロにはなりません。気軽に治療を開始して成功した場合、「これで治った」と安心して、その後全く受診しない状況になることが懸念されます。治療後も、定期的に受診をすることが大切です。

手足口病

|2015年7月26日

《手足口病とは?》

名前の通り、手のひらや足の裏、口の中などに水疱が出来るウイルス性の病気です。毎年小さい子供を中心に夏に流行のピークを迎え、現在神戸市でも流行の警報レベルを超えています。

熱が出ることもありますが、子供の場合高熱になるケースはあまり多くありません。まれに、感染後1か月以内に爪が剥がれることがあり、びっくりすることもあります。重い合併症として髄膜炎や脳炎が起こることもごく稀にありますが、今年流行っているウイルスはその心配は少ないようです。

《治療法は?》

治療に有効な薬はありません。痛みや熱がある場合は、それを抑える対症療法を行います。

かゆみがある時は体を温めないようにする、口の中が痛い時には酸味や刺激の強いものや固い飲食物は避けるなど、生活の中でも対処が必要です。

口の痛みがひどいと、水分を摂るのも辛くなることもありますが、水分補給は少しずつでもこまめに行い、脱水を起こさないよう気を付けましょう。

《どうやって感染するの?》

・飛沫感染(空気中のウイルスが口から入って感染)

・接触感染(感染源と接触して感染)

・糞口感染(便として排泄されたウイルスが口に入って感染)

予防のためには、手洗い、うがいはもちろん、タオルの共有も避けて下さい。

《大人はかからないの?》

感染者の90%が5歳以下の子供ですが、大人がかかることもあります。

そして、大人が感染した場合、高熱が出たり、かゆみや痛みがひどくなるなど、子供と比べて重症化する傾向にあります。

大人の感染は、感染している子供のおむつ交換後、手指の洗浄が不十分なまま食品を扱ってしまうことによる、糞口感染が主な原因と言われています。おむつ交換後は必ず手を徹底的に洗って下さい。

グレープフルーツと薬

|2015年3月27日

 “グレープフルーツジュースと一緒に薬を飲んではいけない”と聞いたことはありませんか?

実は、グレープフルーツに含まれている成分が、一部の薬の分解を邪魔してしまうことが分かっています。その場合、薬が分解されないまま体の中に残って、作用が強く出てしまったり、副作用が起きやすくなる可能性があるのです。

 とは言っても、全ての薬ではなく、一部の高血圧、狭心症、脂質異常症、免疫抑制などの薬に限られているので、新しく薬が出された時には確認しておくと良いでしょう。

 また、薬と一緒に飲まなくても、薬や体質によってはグレープフルーツの影響が数日続くこともあります。一緒に飲んではいけないと言われたら、その薬を続けている間は、控えておきましょう。 《他の柑橘類は?》

グレープフルーツ以外にも、同じように注意が必要なものがあります。

・OK

温州みかん、バレンシアオレンジ、カボス、レモン

・NG

はっさく、夏みかん、ぶんたん、スウィーティー、ダイダイ、ビターオレンジ、晩白柚

《グレープフルーツ豆知識》

ビタミンCが豊富で、半分ほど食べると1日分を摂取できます。

また、カロリーは1個あたり100Kcal前後と低めで、体内に糖質が吸収されるのが遅くて食後に血糖値が急上昇しない「低GI食品」としても知られています。

また、アロマオイルとしても用いられ、気分のリフレッシュ、ダイエットのサポートなどの効果があります。