B型肝炎

更新日:2015年2月17日
B型肝炎ウィルス(HBV)は感染力が強く、感染経路は血液を介してのほかにも体液を介して感染します。
HBVは成人に感染した場合、無症状に終わってしまうか急性肝炎を発症しますがあまり慢性化しません。
幼少時に感染すると免疫が不十分のためHBVを排除できずいわば共存する形で持ち続けます。
感染経路としては出産時に母から感染(母子感染)したものあるいは、幼少時の注射針を変えない予防注射を介した可能性があります。
 
成人し免疫が成熟するとHBVの存在を認知し、自分のリンパ球が自分の肝臓を攻撃するようになります。これが肝炎です。
うまくいけば自然経過で肝炎は沈静化しますが、長期間肝炎が継続(慢性肝炎)すると肝硬変へ早い時期に進展し、肝癌の発生母地を形成します。
治療として以前はインターフェロン、強ミノCなどで治療をしていましたが必ずしも有効でないことも多く難渋しました。
 
ところが、HBV増殖を直接抑制するラミブジン、アデフォビル、エンテカビル、テノホビルなどの内服薬の抗ウィルス剤が次々と開発されここ10年来治療法が一変しています。
肝機能が落ち着かず困るようなケースは本当に少なくなりました。
HBVはまったく無症状な状態から急性肝炎、慢性肝炎、劇症肝炎まで多彩な状態を取りえます。また免疫を抑えるようなリウマチの薬剤や抗がん剤を投与されるとき再活性化することもあります。主治医を決め一貫して管理することが必要です。
 
HBVを持っている患者さんに注意して頂きたい点を3つ挙げておきます。 
  1. .現在無症候性でも肝炎の再燃、肝癌の発生などの危険があるので生涯にわたり定期的に通院すること。体内から完全にHBVを排除することは困難です。
  2. HBVを持っているかたは、ご両親ご兄弟についても検査してください。ご本人よりも病変が進行していることがあります。
  3. HBVを持っているかたは、結婚する前に相手の方にHBワクチンを打つようしてください。
 
また過去の予防注射による感染に関し、訴訟も行われています。
このような事柄に関してもご相談しますので受診ください。
 
B型肝炎について詳しいことを記載するときりがなく、また日進月歩なので、信頼できるサイトを挙げておきますのでそちらを参照ください。
1)  B型肝炎治療ガイドライン|日本肝臓学会ガイドライン
 
2)  平成26年B型C型慢性肝炎・肝硬変治療のガイドライン